日中対照言語学会会報(No.21)2013年1月28日(月)発行
会報担当:高橋弥守彦 豊嶋裕子
目次
1.日中対照言語学会第28回大会 (2012年度冬季大会)報告日中対照言語学会冬季大会(第28回大会)が2012年12月9日(日)、大阪産業大学梅田サテライトで下記の通り開催されました。50名以上の会員の出席があり、机や椅子を急遽仮設したほどの盛況ぶりでした。もちろん質疑応答も活発に行われました。 記 日 時:2012年12月9日(日)午前9時00分より午後5時30分まで 会 場:大阪産業大学梅田サテライト(JR大阪駅南口下車、阪神百貨店右の通りを 直進、徒歩5分、大阪駅前第三ビル19階。大阪市北区梅田1-1-3。 電話 06-6442-5522) 参加費:1000円(会員、非会員共通) プ ロ グ ラ ム 受付(9:00-) 総合司会 安本真由美(高千穂大学) 大会開催校挨拶 張黎(大阪産業大学) 9:20- 9:30 開会の辞 鈴木義明(早稲田大学) 9:30- 9:40 研究発表1.中国語の“对面”“旁边”“周围”“周边”の用い方及び日本語訳の特徴 郭芳菲(京都外国語大学大学院博士前期課程) 9:40-10:15 研究発表2.日中対訳における意志表現の「スル」の対訳形式の選択 10:15-10:50 孫樹喬(神戸外国語大学大学院生) 以上司会 彭飛(京都外国語大学) 休憩(15分:10:50-11:05) 研究発表3.「視点」研究における二人称の位置付けについて―「やる/くれる」, 「行く/来る」,“去/来”を例に― 古賀悠太郎(神戸市外国語大学院) 11:05-11:40 研究発表4.条件接続表現における日中対照研究――「たら」「なら」に対応する 中国語表現を中心に 李慧(九州大学大学院比較社会文化学府博士課程) 11:40-12:15 以上司会 下地 早智子(神戸市外国語大学) 昼休み(60分 ビルの階下に食堂街あり) 12:15-13:15 研究発表5.“这/那”の指示機能虚化から見た中日指示詞の非対応 13:15-13:50 邱 麗君(大東文化大学大学院博士後期課程) 研究発表6.日本語助数詞「枚」と関連している中国語量詞“张”“片”“面”“块” における認知分析 長野由季(株ヒューマンサービス中国語講座楽学) 13:50-14:25 以上司会 竹島毅(大東文化大学) 休憩(15分:14:25-14:40) 講演:テンスとムード 工藤真由美(大阪大学) 14:40-15:40 研究発表7.日本語と中国語の誤用例研究 15:40-16:15 藤田昌志(三重大学) 以上司会 王学群(東洋大学) 研究発表8.選択解釈と疑問解釈 16:15-16:50 王 慶(九州外国語学院・非常勤講師) 研究発表9.日中対照関係から見る中国語の使役表現について 16:50-17:25 高橋弥守彦(大東文化大学) 以上司会 余維(関西外国語大学) 閉会の辞 豊嶋裕子(東海大学) 17:25-17:35 2.日中対照言語学会拡大常務理事会審議2.1.日中対照言語学会拡大常務理事会審議結果(2012年12月9日)日時:2012年12月9日(日)12:15~13:15 議題 1)特集大会の開催場所について 第30回記念大会をモダリティー特集大会として関西地区で2013年12月に実施する方向で準備を進める。関西在住の3名の先生に講演を依頼予定(シンポジウム形式も考慮)。 2)役員選挙に関する件 現状では規模から考えて投票による選出は難しいと思われるが,可能な限り合理的な選出方法を検討すべく,会員から今後の選出方法について意見を募る旨合意。ご意見のある会員は3月末日までに事務局あてにメールでお寄せ下さい。王学群事務局長(Lwn365@yahoo.co.jp) 3)次回開催校と日時 東洋大学(大東文化大学も候補校)にて5月頃の予定。中国語教育学会等,他の大会と重複を避けて日時を検討。佐藤常務理事からの連絡を待つ、あるいはこちらから連絡をする。 4)関西地区の常務理事・理事 中部地区愛知教育大学の時衛国先生を理事に推薦したいとのご意見があり,次回総会に諮る。このほか適当な候補者がいれば随時常務理事会で審議する。 報告事項 前回の会報に掲載した以下の内容について再度口頭で確認した。 1)大阪大会の理事会・懇親会:理事会は昼食時。懇親会は午後6時以降,会員任意参加。 (以上文責 豊嶋裕子)
2.2.日中対照言語学会拡大常務理事会審議結果日時:2013年1月19日(土)17時~18時半 1)第29回日中対照言語学会春季大会(2013年度) 日時と場所:2013年5月26日(日)東洋大学 2)選挙方法について 以前から常務理事会で言っていたように日中対照言語学会の会員数が200名(日本側約170名、中国側約40名)を超えたので役員選挙を行う。この件に関し案がいくつか出された。 3)学会誌について 15本中8本を掲載(論文は執筆要領による18枚以内とする)、2012年度冬季大会における工藤真由美先生の講演を学会誌15号に掲載する。 3.役員選挙について 日中対照言語学会の役員選挙は以下の方法のうちから行いますので、王学群事務局長(Lwn365@yahoo.co.jp)の方へ3月下旬までに、ご意見をお寄せください。 ①常務理事半数を会員からの選挙で選び、その中から互選で理事長を選び、理事長が運営しやすいように副理事長2名と残りの半数の常務理事を選び、総会に報告し承認を得る。 ②常務理事会で理事長1名、副理事長2名を選び、3名で常務理事を選び、総会で信任投票をする。 ③その他(会員からの選挙方法に関するご意見) 4.日中対照言語学会第29回大会(2013年度春季大会)および月例会研究発表者の募集 日中対照言語学会第29回大会(2013年度春季大会)および月例会の研究発表者を募集いたします。どちらかを明記し東洋大学(王学群Lwn365@yahoo.co.jp)または大東文化大学(高橋弥守彦3441748402@jcom.home.ne.jp)までお申し込みください。月例会は原則として4月から7月は東洋大学、9月から3月は大東文化大学で開催いたします。ご連絡をお待ちいたしております。なお、8月は休会です。また、春季・冬季大会開催月は月例会を休会といたします。 5.2013年1月定例月例会報告(司会:高橋弥守彦) 予定では2名の研究発表であったが、石毛達也氏がインフルエンザのため発表できなく、孫宇雷氏の発表のみであった。以下のとおりである。 発表者:孫 宇雷 大東文化大学外国語学研究科博士後期課程 asteriatz@foxmail.com 本研究は学習者の誤用例「AからBに変名される」を皮切りに、従来のミニマルペアの対照研究と異なり、類義語コロケーションの角度から日中同形語表現への考察を行った。具体的には、以前の研究で考察した「変名」「改称」「改姓」「改名」に引き続き、「改正」「改訂」「改定」「変更」とそれぞれ対応する中国語の同形語の検証をした。例(「AからBに変名される」)の誤用は辞書の記述とは一致しているが、新聞サイトなどを生の材料として研究した結果、辞書により①同形語対訳は品詞、能動・受動、意味範疇及び使用範囲の相違から適切ではないこと、②“改订”“改定”の意味解釈が不十分であること、以上2点がわかった。問題解決策として、品詞別に使い分けを説明することを提言した。 詳細な研究発表が行われたが、例文の選定や論旨の進め方などでさらに研究をする必要のあるところもあった。質疑応答も活発であり、時間が足りないほどであった。会場からの主な意見は以下のとおりである。 意見1:類義語グループの研究より、ミニマルペアの研究をやってから、対照や比較をして、共通点と相違点を述べたほうが明白だと思われる。 (以上文責 高橋弥守彦)
事務局だより1)学会の入会は、日中対照言語学会ホームページ上で随時受け付けています。ただし、申し込みができない場合は王学群事務局長(Lwn365@yahoo.co.jp)、または竹島毅理事(sisi@crest.ocn.ne.jp)までご連絡をください。年間会費は社会人4000円、院生2000円となっています。皆さんの入会を歓迎いたします。 2)毎月の例会の開催は、郵送ではなく、メールにてご連絡させて頂いております。不明の方がいらっしゃいますので、ぜひお知らせいただきたくお願い申し上げます。また、メール変更につきましても、同様にお願い申し上げます。 |