[ 日中対照言語学会 / 学会月例会 ]

日中対照言語学会2021年7月月例会のお知らせ

日中対照言語学会員各位

 日中対照言語学会の月例会を下記の通りオンライン形式(Zoom)で開催いたします。どなたでも自由にご参加いただけますので、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

日中対照言語学会7月月例会

日時
2021年7月17日(土)17:00~19:00
発表者
高 沁雨(千葉大学大学院)
テーマ
中国語訳文からみた日本語「れる/られる」受身文-中国語無標受身文・存在文との対照を中心に-
Zoom情報
トピック: 日中対照言語学会月例会(7月度)
時間: 2021年7月17日 04:45 PM 大阪、札幌、東京

Zoomミーティングに参加する
https://zoom.us/j/98221201787?pwd=alh3N3VkczlBK2tCZ2hoOXFEZlk0dz09

ミーティングID: 982 2120 1787
パスコード: 503279
15分前の16:45 から入室できます。

要旨

 日本語「れる/られる」受身文と対応する中国語訳文には、“被”など受身標識による有標受身文のほか、次のような無標受身文と存在文に訳されるものも存在する。

・机の上はきちんと整理され、その前の壁にはスヌーピーのカレンダーがかかっていた。
  桌面拾掇得整整齐齐,桌前墙上挂着木偶画月历。
・床の前に蒲団が敷かれている。きちんと掃除がゆきとどいている。
  壁龛前铺着被子,打扫得整齐又干净。

 本発表は、記述的な観点から、『中日対訳コーパス(第一版)』を用い、日本語「れる/られる」受身文と対応する中国語無標受身文・存在文の訳文を対象とし、動詞のあらわす意味的な面、および構文的な面から対照分析を行った。考察の結果、日本語原文における受身文の主語の性格(人であるかどうか)、また、動詞のあらわす意味的な特徴が訳文の傾向に影響を与えていることがわかった。さらに、収集した実例の示す数値から、日本語「れる/られる」受身文と中国語無標受身文とはそれぞれの受身文の枠組みにおいて、周辺的な位置にあり、互いに対応関係をもつことも明らかにした。


 なお、月例会での発表希望者は、毎月末までに翌月発表したいテーマと要旨(500 字前後を王学群(ohgakubun@toyo.jp)までお申し込みください。当面は、オンライン形式(Zoom)での開催になりますが、奮ってお申し込みください。

(日中対照言語学会事務局)
 

日中対照言語学会2021年6月月例会のお知らせ

日中対照言語学会員各位

 日中対照言語学会の月例会を下記の通りオンライン形式(Zoom)で開催いたします。どなたでも自由にご参加いただけますので、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

日中対照言語学会6月月例会

日時
2021年6月19日(土)17:00~19:00
発表者
李所成(北京外国語大学)
テーマ
「てもらう」の意味――中国語との対照を兼ねて――
Zoom情報
トピック: 日中対照言語学会6月月例会
時間: 2021年6月19日 04:45 PM 大阪、札幌、東京
Zoomミーティングに参加する

https://zoom.us/j/97366090672?pwd=a2VzN21xN0RnVDdsamVCaEcraWtsdz09

ミーティングID: 973 6609 0672
パスコード: 212282
15分前の 16:45 から入室できます。

要旨

 本稿は「てもらう」の意味を考察し、その上で、「てもらう」をそれとかかわる中国語表 現と比較対照した。その結果、以下の結論を得た。(1)「てもらう」は、話し手または話し手側の人が他の人の、実現・完了した動作などを受けることを表す。受益や働きかけや受身や使役や命令や許容などの意味は、文脈などによって与えられたものにすぎず、「てもらう」自身によって担われる意味ではない。(2)中国語には「てもらう」に対応する表現がない。中国語の兼語文は授受関係を表す表現ではなく、従って「てもらう」と意味や使い方がまったく違う。「得到」は確かに動作を受ける場合に使うことができるが、しかし、その動作は名詞で表現できるものに限られる。(3)中国語では receive-関係を表す表現はあまり使われない。とりわけ話し言葉の中では使われることが少ない。中国語では、 receive-関係は授受関係として捉えないか、give-関係として捉え直すことが多い。

 キーワード 授受関係、てもらう、日中対照、文法化


 なお、月例会での発表希望者は、毎月末までに翌月発表したいテーマと要旨(500 字前後を王学群(ohgakubun@toyo.jp)までお申し込みください。当面は、オンライン形式(Zoom)での開催になりますが、奮ってお申し込みください。

(日中対照言語学会事務局)
 

日中対照言語学会2021年4月月例会のお知らせ

日中対照言語学会員各位

 日中対照言語学会の月例会を下記の通りオンライン形式(Zoom)で開催いたします。どなたでも自由にご参加いただけますので、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

日中対照言語学会4月月例会

日時
2021年4月17日(土)17:00~19:00
発表者
続三義(東洋大学)
テーマ
日中翻訳――「天声人語」(1997.7.18)――その2
Zoom情報
トピック: 日中対照言語学会4月月例会
時間: 2021年4月17日 04:45 PM 大阪、札幌、東京
Zoomミーティングに参加する
https://zoom.us/j/96398651932?pwd=VVhTSVpld0RhbXFDQW1CQ3hwWkowdz09
ミーティングID: 963 9865 1932
パスコード: 277595
要旨
file要旨PDF
 

 

 月例会での発表希望者は、毎月末までに翌月発表したいテーマと要旨(500 字前後)を王学群(ohgakubun@toyo.jp)までお申し込みください。当面は、オンライン形式(Zoom)での開催になりますが、奮ってお申し込みください。

(日中対照言語学会事務局)
 

日中対照言語学会2021年3月月例会のお知らせ

日中対照言語学会員各位

 日中対照言語学会の月例会を下記の通りオンライン(Zoom)で開催いたします。どなたでも自由にご参加いただけますので、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

日中対照言語学会3月月例会

日時
2021年3月20日(土)17:00~19:00
発表者
吉野孝介(京都外国語大学・院生)
テーマ
中国語の“一”及び“一”を伴う数量表現から見る日本語訳に関する研究
Zoom情報
トピック: 日中対照言語学会(3月月例会)
時間: 2021年3月20日 04:45 PM 大阪、札幌、東京
Zoomミーティングに参加する
https://zoom.us/j/93448693158?pwd=QmRQMUQ2N2doRm5DUU5naCtvZDVQUT09
ミーティングID: 934 4869 3158
パスコード: 346521

要旨

現代中国語において、事物や動作、行為などの数量を表す場合、単位を示す「量詞」は単独で使えるが、数を数える「数詞」は単独では使わず、単位を示す「量詞」を伴うのが普通である。“我看到教室里有一个人,不知道是不是王老师。”の場合、“个”は「量詞」であり、日本語の助数詞に相当するものである。数量を数える場合、日本語では「数詞+助数詞」を使い、中国語は「数詞+量詞」を使う。この点で日本語と中国語は同じであると言える。ところが、中国語の「数量表現」は、日本語の助数詞の用法から見ると用いる必要のないところによく現れる。次の例がそれである。

  • 教室里有一个人。(教室に人がいる)
  • 他送给朋友一件礼物。(彼は友達にプレゼントをあげた) 「人がいる」「プレゼントをあげる」場合に、日本語では必ずしも「一人」「一つ」などのような「一」を伴う数量表現を使用しなくても文の意味が通じ、コミュニケーションにおいて全然支障をきたさない。これに対して、中国語では“一个”“一件”を省略することが難しく、明確に表すのが普通である。中国語では、「“一”を伴う数量表現」が日本語より多く見られ、それは中国語の特徴とも言える。

本研究では、まずコーパスから考察対象となる日本語の原文とその中国語訳の例文を抽出し、日本語から中国語への翻訳文における「“一”を伴う数量表現」の特徴を明らかにする。日本語と中国語の「“一”を伴う数量表現」の使用実態を比較し、なぜ中国語では「“一”を伴う数量表現」を使わないと、文として成り立たないのか、その原因を分析し、中国語の「“一”を伴う数量表現」の使われやすい場面を記述し、その用い方の特徴について考察する。

 

 

なお、月例会での発表希望者は、毎月末までに翌月発表したいテーマと要旨(500 字前後を王学群(ohgakubun@toyo.jp)までお申し込みください。当面は、オンライン(Zoom)での開催になりますが、奮ってお申し込みください。。

(日中対照言語学会事務局)

 

日中対照言語学会2021年2月例会のお知らせ

日中対照言語学会員各位

 日中対照言語学会の月例会を下記の通りオンライン(Zoom)で開催いたします。どなたでも自由にご参加いただけますので、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

日中対照言語学会2月月例会

日時
2021年2月20日(土)17:00~19:00
発表者
趙 丹楠(大東文化大学・院生)
テーマ
依頼発話行為に関する日中対照研究―ポライトネス理論から見る依頼負担度の影響を中心に―
Zoom情報
トピック: 日中対照言語学会月例会(2月)
時間: 2021年2月20日 04:45 PM 大阪、札幌、東京
Zoomミーティングに参加する
https://zoom.us/j/98415747723?pwd=LzRuR2hSTXNzMEtNZTRIaVc4WkdSUT09
ミーティングID: 984 1574 7723
パスコード: 555431

要旨

 本発表では日中発話行為の依頼表現の使用実態における、ポライトネス理論から見る依頼負担度の影響について報告を行う。調査協力者として、日本語母語話者(JNS)と中国語母語話者(CNS)は20代の男女大学生で、社会的地位は同等な知り合い関係に限定する。内訳は日本語母語話者20名(男性9名、女性11名)、と中国語母語話者20名(男性20名、女性0名)である。依頼行為は、負担度の度合いによって2つの段階に設定し、軽度:「3千円を借りる」、重度:「3万円を借りる」とする。条件と日中両言語の組み合わせによってグループ分けし、JNSの負担度・軽度:10組、CNSの負担度・軽度:10組、JNSの負担度・重度:10組、CNSの負担度・重度:10組とし、全て40組のデータをロールプレーにより収集した。ロールプレーは録画し、すべて文字化を行う。収集された両言語の依頼表現はそれぞれ非敬語形の普通体、非敬語形の丁寧体と敬語形の丁寧体に分類する。さらに、ポライトネス理論に基づき、両言語の依頼表現をポライトネス・ストラテジーによりそれぞれにコーディングし、使用数と使用頻度について量的分析を行う。具体的会話例に対して質的分析を行うことで、被依頼者への負担度の度合いにより、依頼表現にどのような影響があるのかを検証する。

 

 

なお、月例会での発表希望者は、毎月末までに翌月発表したいテーマと要旨(500 字前後を王学群(ohgakubun@toyo.jp)までお申し込みください。当面は、オンライン(Zoom)での開催になりますが、奮ってお申し込みください。

(日中対照言語学会事務局)

 

日中対照言語学会2020年11月例会のお知らせ

日中対照言語学会員各位

 日中対照言語学会の月例会を下記の通りオンライン(Zoom)で開催いたします。どなたでも自由にご参加いただけますので、奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。

 なお、月例会での発表希望者は、毎月末までに翌月発表したいテーマと要旨(500 字前後を王学群(ohgakubun@toyo.jp)までお申し込みください。当面は、オンライン(Zoom)での開催になりますが、奮ってお申し込みください。

(日中対照言語学会事務局)

日中対照言語学会11月月例会

日時
2020年11月21日(土)17:00~19:00
発表者
鄧宇陽(トウ ウヨウ・新潟大学大学院生)
テーマ
文末助詞“了”のイメージ・スキーマの再確立
要旨
中国語学において、文末助詞“了”は“了2”とも呼ばれる。本稿は認知意味論の観点から“了2”のイメージ・スキーマを再確立する。具体的には、まず、先行研究において“了2”の認知的本質を解釈(construal)するために提起されてきた「点」的スキーマに補足説明を加えた上で、“了2”の「点」的スキーマをより精緻化(elaboration)する。また、精緻化された「点」的スキーマを“了2”の語用論的側面から検証する。

Zoom情報

2020年11月21日 04:45 PM 大阪、札幌、東京(午後4:45より入室可能)

Zoomミーティングに参加する
https://zoom.us/j/96895257661?pwd=QXpRakJnRWVFZWFLdkgycE5Ed29BZz09

ミーティングID: 968 9525 7661

パスコード: 078339

 

日中対照言語学会2020年10月例会のお知らせ

日時
2020年10月17日(土)17:00~19:00
形式
オンライン(Zoom)     

トピック: 日中対照言語学会月例会
時間: 2020年10月17日 05:00 PM 大阪、札幌、東京
Zoomミーティングに参加する
https://zoom.us/j/96817903690?pwd=Vzk0MkRDc1doUHdBYWt1ZjBaR1BEdz09
ミーティングID: 968 1790 3690
パスコード: 519422

発表者
楊 璇(大東文化大学大学院生)
テーマ
金国璞北京語会話教科書における動詞「作」と「做」の使用 −−−−≪児女英雄伝≫との比較

要旨

 金国璞、字卓菴、北京出身、明治30年(1897)に開校した高等商業学校附属東京外国語学校の講師として日本文部省により招聘され、日本で6年間勤務した後、明治36年(1903)に帰国した。金氏は生涯数多くの北京語教科書を出版し、教科書の形式は応用文教科書と会話教科書の二種類となる。会話教科書は10冊に上り、1898年に出版された≪談論新編:北京官話≫から1911年に出版された≪北京官話:今古奇観第2編≫まで13年の期間となる。 本稿では、金氏の会話教科書を中心に、課文で用いた「作」と「做」を取り上げ、全使用例を統計し、その使用状況と語義分布を分析する。更に《児女英雄伝》に用いた「作」と「做」の比較を通じて、それぞれの語義の相違点と使用推移を考察する。

 ≪児女英雄伝≫においては「作」を用いることが主流で、「做」の使用が僅かであるが、金氏の会話教科書では「作」と「做」の使用割合がほぼ同じである。又、同じ語義を表す際に混用することが起きたのは≪児女英雄伝≫で既にあったことが判明した。金氏の会話教科書では、混用現象が更に増加した。又、≪児女英雄伝≫では、語義によって、「作」だけを用いることに対して、金氏の会話教科書では「作」と「做」の両方を用いる。逆に、≪児女英雄伝≫に「作」と「做」を両方用いる語義が金氏の会話教科書では「作」の使用を排除する傾向が見られる。「作」と「做」の語用問題は現代漢語の関心ある語彙学、文法学の研究課題であり、本稿は先行学者の研究成果を踏まえ、関連課題を考察する。

 

今後の月例会について

 当面は開催を見合わせますが、状況の変化に応じて改めて通知することといたします。

 

日中対照言語学会2020年1月例会のお知らせ

日時
2020年1月11日(土)17:00~19:00
場所
大東文化会館 K-404
発表者
呉雨(國學院大學・院生)
テーマ
国会会議録における副詞の使用実態

要旨

 近年、コーパスを用いた言語研究が盛んになるのに伴い、国立国語研究所に開発された現代日本語書き言葉均衡コーパス、全文検索システム『ひまわり』のような言語資源によって、2001年公開された国会会議録は、より効率的に利用できる言語資料になった。

 本稿では、『ひまわり』による国会会議録のデータを調査資料として、国会会議のような公的場面での発話に使用される副詞の状況を考察する。

 様態副詞のバリエーションは豊富であり、テンス・アスペクトの副詞の使用される回数が最も多いのである。文体的特徴の視点から見ると、国会会議録における副詞は話し言葉と書き言葉の中間的性格を持っている。例えば、「しっかり」「もう」のような話し言葉的な副詞、「極めて」「より」「既に」のような書き言葉的な副詞、「全く」「なぜ」「特に」のような話し言葉と書き言葉の中間性を持つ副詞が使用されている。

 また、国会会議録では「直ちに」は当為表現「べきだ」と共起し、「決して」「到底」「断じて」は「許してはならない」のような「不許可」表現と共起する傾向が見られた。

 

日中対照言語学会2019年11月例会のお知らせ

日時
2019年11月9日(土)17:00~19:00
場所
大東文化会館 K-404
発表者
小路口 ゆみ(跡見学園女子大学・非)
テーマ
中国語テキストにおける“把”構文中の副詞の位置について ――副詞“都”を中心に

要旨

 本発表では、清末の北京官話のテキストにおける“把”構文の中の副詞“都”の位置と現代中国語のテキストにおける“把”構文の中の副詞“都”の位置について調査・分析する。“把”構文における副詞の位置は二通りある。本発表では、副詞が“把”の前に置かれる場合を前置型と言い、“把”の後・動詞の前に置かれる場合を後置型という。その位置により、その文の意味も異なる。

(3)a.我们把孩子们都送走。(加藤晴子1995:91)
     われわれは子供たちみんなを見送った。(筆者訳)
   b.➯≠ 我们都把孩子们送走。(加藤晴子1995:91)
          私たちみんなは子供たちを見送った。(筆者訳)

 例(3)aは後置型であり、“都”は“孩子们”全員を指し、例(3)bは前置型であり、“都”は“我们”全員を指す。“孩子们”全員を表したい場合は、“把”構文を使うしかないので、それが“把”構文の存在する理由の一つでもある。

 “把”構文の副詞“都”の位置によって、文意が異なってくるので非常に重要である。その重要性を述べることによって、中国語を勉強する外国人に“把”構文をより分かり易く理解させることができ、“把”構文を使いこなすために役立てられる。

 

日中対照言語学会2019年10月例会のお知らせ

日時
2019年10月19日(土)17:30~19:30
場所
大東文化会館 K-404
発表者
新田小雨子(早稲田大学非常勤講師)
テーマ
中国語の仮定複文の構文形式についての研究 ―“如果”文を中心として―

要旨

 本発表は「教育部语言文字应用研究所计算语言学研究室语料库在线」の中から中国語の仮定複文を表す代表的な表現“如果”を含む用例をピックアップして、“如果”文の構文形式について分析し検討を行った。データより、“如果”文の多種多様な構文形式が観察され、単純な“如果P,Q”構文の他に、1つの条件節によって複数の結果節が引き出されるケースも多く見られた。たとえば、“如果P,将Q1,还Q2”構文と“如果P,不仅Q1,Q2,而且Q3…”構文がそれである。また、複数の条件節によって1つの結果節が引き出される“如果不P1,不P2…,Q”“如果P1,如果P2,如果P3…,Q”のような構文パターンもあれば、複数の条件節によって複数の結果節が引き出される“如果P1,或者P2,…,就会Q1,就会Q2,…”のようなパターンもあった。各条件節または各結果節において、節と節の関係は並列関係か累加関係になっているものが多いが、ある結果節では、節と節の関係が仮定段階の因果関係になっているものも見られた。さらに、条件節で述べたことを否定し、仮定の結果を表す“否则”が含まれる“如果P,那么Q1,否则Q2”構文も観察された。

 

日中対照言語学会2019年7月例会のお知らせ

日時
2019年7月20日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学経済学部会議室(白山キャンパス 2号館9階)
発表者
王 学群(東洋大学)
テーマ
日中対照研究―日本語の「~力」と中国語の“……力”を中心に―

要旨

 本稿は、日本語の「~力(りょく)」と中国語の“……力(lì)”の、前の単語とのくみあせの実態を調査する。

 調査対象は、基本的に、日本語の「~力(りょく)」と中国語の“……力(lì)”が、自立性の高い単語の後に付着して使われる場合に限定する。二つの実質的な単語のくみあわせ(=連語)ではなく、単語と接尾辞との語構成的なくみあわせである。

 日本語の「学力・語力・威力・暴力・能力・握力・外力・眼力・核力・圧力・協力・気力・棋力・減力·……」、中国語の“威力、暴力、眼力、压力、能力、外力、握力、精力、脚力、财力、……”のような、一つの単語として広く認知されている場合は除外する。

 また、日本語の「~力(りょく)」と中国語の“……力(lì)”については、借用的な関係を通時的な面から考察することもできるが、これについては触れないことにする。

 日本語の「~力(りょく)」は使用範囲が広い。一方、中国語の“……力(lì)”は使用範囲が相対的に狭い。
「影響力」、「生産力」、「摩擦力」、「労働力」、「判断力」、「注意力」、「対抗力」、「想像力」、「戦闘力」、「親和力」、「持久力」、「公信力」、「原子力」、「凝集力」、「購買力」、「競争力」、「吸引力」、「応用力」、「機動力」、「強制力」、「向心力」、「集中力」、「自然力」、「作用力」 などの用例は、中国語との対応が見られるが、以下の用例は、中国語との対応が基本的に見られない。
「日本力」、「地域力」、「企業力」、「行政力」「結婚力」、「質問力」、「教員力」、「学生力」、 「社員力」、「持続力」、「収益力」、「突破力」、「精神力」、「経営力」、「政策力」、「研究力」、「人間力」、「新聞力」、「資金力」、「交際力」、「達成力」、「提案力」、「販売力」、「担当力」

 本稿は、用例分析を通じて、日本語と中国語の間の対応と非対応の法則性を明らかにし、結合能力における異同も明らかにする。さらには、その異同が生じる原因についても検討する。

 

日中対照言語学会2019年6月例会のお知らせ

日時
2019年6月15日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学経営学部会議室(白山キャンパス2号館11階)
発表者
白石裕一(中央大学兼任講師)
テーマ
従属節が“是+NP”の仮定表現について
――“就”と“了”の文法的意味を求めて――

要旨

 映画《山楂树之恋》(『サンザシの樹の下で』)の導入部に次のようなセリフが出てくる。“不是小孩儿就不能吃糖了?!”(子供デナケレバ飴ヲ食ベルコトハデキナイノ?!) このセリフの、“就”と“了”の文法的な意味はいったいどのようなものなのだろうか?

 発表者は、この問題を解決するために、従属節が“是+NP”の仮定表現の例文を集め、それに基づいて“就”と“了”の意味を帰納した。

 仮定表現は、日本語学において、「タラ形式」「レバ形式」「ナラ形式」などについての研究がある。従属節が“是+NP”の仮定表現は、翻訳上、「タラ形式」「レバ形式」「ナラ形式」いずれにも対応する。

 このようなことから、“就”には、「時空間の中に実現する個別的事態の間の依存関係を表す」意味以外にも、「前件と後件の組み合わせによって時間を超えて成り立つ一般的な因果関係を表す」意味もあれば、「前件で、ある事態が真であることを仮定し、それに基づいて後件で、表現者の判断・態度を表明する」意味もあると考えられる。

 さらに、語気詞“了”の意味については、「確認を強める(“加强肯定”)」意味があるとの結論を得た。

 

日中対照言語学会2019年4月例会のお知らせ

日時
2019年4月20日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学経済学部会議室(白山キャンパス2号館9階)
発表者
続三義(東洋大学)
テーマ
日中翻訳――「天声人語」(2017.08.07)の中国語訳を例に

要旨

 筆者はこれまで「天声人語」の中国語訳について何回か論じたことがある。ここで取り上げるのは、朝日新聞中文網にある、2017年8月7日の「天声人語」「スマホ・ゾンビに罰金」の中国語訳《勿成手机僵尸 罚款不留情》(2017年8月20日、以下「訳文」とする)である。

 翻訳をする際、言葉の意味を理解することが前提である。多くの場合、先人の研究成果――辞書を使えば、基本的な語彙の問題はおおよそ解決できる。本発表では、主に語彙をめぐってその中国語表現を述べる。主に、中国語訳の“哪里”、“酷似人类外形的生物”、“成群结队”、“如此场景应该会让你联想到什么吧”、“英文译法”、“请出”、“反复出现该行为”、“尚不在多数”、“扩散”、“现象”、“双脚站立行走”、“剥夺”などを取り上げる。たとえば、“酷似人类外形的生物”は「人間の姿をしている」の訳と考えられるが、“酷似人类外形”「人間の外形と非常に似ている」という訳し方は原文と乖離しているし、“生物”「生物」という言葉は原文に無い言葉で、しかも、意味的には、ゾンビが生物と考えられないだろうことから、これらの訳し方もいずれも問題であると分析していく。

 

(→過去実施分の報告もご覧いただけます)

 

Last-modified: 2021-07-11 (日) 10:20:52