[ 日中対照言語学会 / 学会月例会 ]

日中対照言語学会2019年6月例会のお知らせ

日時
2019年6月15日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学経営学部会議室(白山キャンパス2号館11階)
発表者
白石裕一(中央大学兼任講師)
テーマ
従属節が“是+NP”の仮定表現について
――“就”と“了”の文法的意味を求めて――

要旨

 映画《山楂树之恋》(『サンザシの樹の下で』)の導入部に次のようなセリフが出てくる。“不是小孩儿就不能吃糖了?!”(子供デナケレバ飴ヲ食ベルコトハデキナイノ?!) このセリフの、“就”と“了”の文法的な意味はいったいどのようなものなのだろうか?

 発表者は、この問題を解決するために、従属節が“是+NP”の仮定表現の例文を集め、それに基づいて“就”と“了”の意味を帰納した。

 仮定表現は、日本語学において、「タラ形式」「レバ形式」「ナラ形式」などについての研究がある。従属節が“是+NP”の仮定表現は、翻訳上、「タラ形式」「レバ形式」「ナラ形式」いずれにも対応する。

 このようなことから、“就”には、「時空間の中に実現する個別的事態の間の依存関係を表す」意味以外にも、「前件と後件の組み合わせによって時間を超えて成り立つ一般的な因果関係を表す」意味もあれば、「前件で、ある事態が真であることを仮定し、それに基づいて後件で、表現者の判断・態度を表明する」意味もあると考えられる。

 さらに、語気詞“了”の意味については、「確認を強める(“加强肯定”)」意味があるとの結論を得た。

 

日中対照言語学会2019年4月例会のお知らせ

日時
2019年4月20日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学経済学部会議室(白山キャンパス2号館9階)
発表者
続三義(東洋大学)
テーマ
日中翻訳――「天声人語」(2017.08.07)の中国語訳を例に

要旨

 筆者はこれまで「天声人語」の中国語訳について何回か論じたことがある。ここで取り上げるのは、朝日新聞中文網にある、2017年8月7日の「天声人語」「スマホ・ゾンビに罰金」の中国語訳《勿成手机僵尸 罚款不留情》(2017年8月20日、以下「訳文」とする)である。

 翻訳をする際、言葉の意味を理解することが前提である。多くの場合、先人の研究成果――辞書を使えば、基本的な語彙の問題はおおよそ解決できる。本発表では、主に語彙をめぐってその中国語表現を述べる。主に、中国語訳の“哪里”、“酷似人类外形的生物”、“成群结队”、“如此场景应该会让你联想到什么吧”、“英文译法”、“请出”、“反复出现该行为”、“尚不在多数”、“扩散”、“现象”、“双脚站立行走”、“剥夺”などを取り上げる。たとえば、“酷似人类外形的生物”は「人間の姿をしている」の訳と考えられるが、“酷似人类外形”「人間の外形と非常に似ている」という訳し方は原文と乖離しているし、“生物”「生物」という言葉は原文に無い言葉で、しかも、意味的には、ゾンビが生物と考えられないだろうことから、これらの訳し方もいずれも問題であると分析していく。

 

(→過去実施分の報告もご覧いただけます)

 

Last-modified: 2019-06-11 (火) 22:30:03