日中対照言語学会2011年2月例会のお知らせ

 下記のとおり,2011年2月の研究月例会を開催いたします。会員の皆様におかれましては、万障お繰り合わせの上、ご出席くださいますようご案内申し上げます。

[発表]

1.ひ と :飯塚敏夫(放送大学院生)
  テーマ:シンガポールの言語戦略―英語と華語のせめぎあい―

[要旨] 華人・マレー人・インド人などから成る多民族国家シンガポールでは、現在、英語・華語・マレー語・タミール語の4言語が公用語と定められている。実質的には英語が全国民の共通語の地位を占め、華語・マレー語・タミール語が各民族内の通用語となっているが、家庭内で英語を使用する華人の割合も増えつつある。シンガポールが急速な経済成長を遂げた要因の一つとして英語が公用語である点が指摘されるが、今日の「形」が定まるまで には民族的・地理的・国際的な様々な要因が関係し、英語と華語との熾烈なせめぎあいがあった。政府が華語を積極的に推進した時期もあった。さらに中国の経済発展に伴い、近年では華語の地位が上昇しつつある。今日に至るまでのシンガポールの言語政策とそれを決定した背景要因とを跡付けたい。

 

 

2.ひ と :葉 慧君(大東文化大学大学院生)
  テーマ:日本統治時代における「台湾人」の日本語の使用状況について―アンケートから見る言語生活を中心に―

[要旨] 日本統治時代の台湾において、日本語普及は国家レベルで推進されていた。この日本語普及政策に関する研究は多く存在するが、当時の台湾人(本省人)の言語生活について詳細の研究は、ほとんど進んでいない。そこで、発表者は、日本統治時代の「台湾人」の言語生活の実態詳細を、関連する先行研究及び、発表者が2010年に実施した統冶時代当時の日本の言語政策を実際に体験した台湾人に対するインタビュー調査の結果を通して考察した。その結果、日本の言語政策を実際に体験した台湾人は、公的場面では標準的な日本語、私的場面では俗日本語を使用していたこと。また、日本語学習経験(当時の日本政府による日本語教育)はないが、生活上日本人と接する必要のある者は「ピジン日本語」を使用していたことが明らかになった。

[と き]:2月19日(土)午後6:00~8:00
[ところ] :大東文化会館K401所在地:〒175-0083東京都板橋区徳丸2丁目4番21号
     ダイヤルイン番号 03-5399-7038(内線8000)
     利用駅:池袋で東武東上線に乗り換え、東武練馬駅下車3分

日中対照言語学会事務局
 

日中対照言語学会11月例会のお知らせ

 下記のとおり,2010年11月の研究月例会を開催いたします。会員の皆様におかれましては、万障お繰り合わせの上、ご出席くださいますようご案内申し上げます。

[発表]

ひ と:石井宏明(東海大学<非>)
テーマ: 「初級知識を使った言い換え練習」
要 旨:第二外国語として中国語を1年以上学んだことがある学生を対象とした会話授業を担当している。その授業で、学生の多くが中国語で発言しようとする際、先ず自分の言いたいことを日本語で考え、そして日本語で一文を作り、その日本語文を中国語文に翻訳してから発言するという光景がよく見受けられる。中国語を学んで1年~2年という学生が、中国語で発言しようとした際、先ずは日本語で考えて発言するということ自体は中国語の運用に慣れていない以上、致し方ないことではあろう。しかし、問題であるのは、その自分で考えた日本語文中に、中国語ではどう言うべきか知らない単語がある等の場合、多くの学生の思考はそこで止まり、中国語で発言するまでに行き着かないことが往々にしてあることだ。このような場合、学生たちに対して辞書などの頼らず、既習済みである単語や文法のみを使って対処するように指導している。今回の発表では、その指導内容と成果について報告する。

と き:11月20日(土)(18:00-20:00)
ところ:大東文化会館K401 所在地:〒175-0083 東京都板橋区徳丸2丁目4番21号
    ダイヤルイン番号 03-5399-7038(内線8000)
利用駅:池袋で東武東上線に乗り換え、東武練馬駅下車3分

日中対照言語学会事務局
 

日中対照言語学会10月例会のお知らせ

 下記のとおり,2010年10月の研究月例会を開催いたします。会員の皆様におかれましては、万障お繰り合わせの上、ご出席くださいますようご案内申し上げます。

[発表1]

ひ と:大塚敏夫(放送大学院生)
テーマ:シンガポール地名に見る中国語方言音の影響
要 旨:シンガポールの土着言語はマレー語であり、地名もマレー語に由来するものが多い。またイギリスの植民地であったため、英語の地名も見られる。一方、シンガポール華人は福建語、広東語など方言を母語とする人が圧倒的多数を占め、普通話を母語とする人は僅少である。シンガポール華人がそれらマレー語・英語の地名を漢字表記により音訳する際には、方言音、特に福建語音によっている様子がうかがえる。また方言音には「入声」が残っており、それが地名音訳の際に有効に利用されていることもわかる。そのような漢字地名を普通語音で規範的に発音しようとすると、かえって元のマレー語・英語の音とズレが生じる。たとえば、マレー語“Singapura”の漢字表記“新加坡”は福建方言音では“Sinkapo”と原音に近いが、普通語音ではxinjiapo”となり、原音からややズレてしまう。シンガポール地名に見られる中国語方言音の影響を紹介したい。

と き:10月16日(土)(18:00-18:30)
ところ:大東文化会館K402

 

 

[発表2]

ひ と: 鄭栄愛(大東文化大学院生)
テーマ:「……けどの前置きの特殊的な用法」
要 旨:B&L(1987)の『ポライトネス理論』が日本に紹介されるようになってから、日本語研究においても「配慮表現」という用語が定着するようになり、20世紀の80、90年から盛んに研究をなされている。会話文では、逆接ではない「けど」の用法がしばしば用いられている。その中でも、「けど」の前置き、文末表現について、配慮表現の立場から、研究されていることが注目される。

 「けど」の前置きの表現形式は、一定な形を用いられない一般的な表現形式(「失礼ですけど」、「申し訳ございませんけど」、「急なんですけど」などのように、よく本題に入る前に後節の発話の内容と必然的に必要ではない言葉を用いている。これらの表現は、話し手が聞き手に何らかの依頼や要求する場合に用いると、話し手が聞き手に何らかの配慮の気持ちが見られ、コミュニケーションが円滑に行われる。)と、一定な形を用いる特殊な表現形式があるものがある。

 本研究は、前置きの中で慣用的として注目すべき「いいけど」「悪いけど」を取り上げ、その表現形式の配慮表現について考察したものである。

と き:10月16日(土)(18:30-20:00)
ところ:大東文化会館K402

所在地:〒175-0083 東京都板橋区徳丸2丁目4番21号
ダイヤルイン番号 03-5399-7038(内線8000)
利用駅:池袋で東武東上線に乗り換え、東武練馬駅下車3分

日中対照言語学会事務局
 

Last-modified: 2013-12-07 (土) 12:26:00