日中対照言語学会2018年3月例会(記念講演会)のお知らせ

日中対照言語学会員各位

日中対照言語学会事務局

 日中対照言語学会の月例会(3月)を下記の通り開催いたします。どなたでも自由にご参加いただけますので、お誘いあわせのうえ多数ご来場くださいますようお願い申し上げます。


 先にご案内の通り、本学会は日本学術会議協力学術研究団体として指定を受けました。学会にとっては非常に喜ばしいことであります。学会のこれまでの活動を回顧し、これからの研究活動の展開と拡大などについて語るべく、学会の理事長経験者・現顧問の三名の先生方をお招きして、3月の月例会の日に、記念活動として、記念講演会を開催します。

期日
3月17日(土)
時間
17:00~19:00
場所
大東文化会館K-301
講演者
横川伸(学会顧問)、佐藤富士雄(学会顧問)、高橋弥守彦(学会顧問)
テーマ
日中対照言語学会の歩みとこれからの展望

 なお、ご講演終了後、参会者全員でのディスカッションを予定しています。皆様の積極的な参与をお願いします。

 

日中対照言語学会2018年2月例会のお知らせ

日時
2018年2月17日(土)17:00~19:00
場所
大東文化会館 K-404(東武東上線東武練馬駅徒歩3分)
発表者
蘇 秋韵(大東文化大学大学院生)
テーマ
非物理的空間における“V过来”“V过去”について

要旨

 谢白羽・齐沪扬(2000)によれば、複合方向補語“过来”と“过去”は「客観世界」と「主観世界」二つの面に分けられ、それぞれの役割を持っていると指摘している。ここが言った「主観世界」に関する研究は、非物理的空間に用いられる“V过来”と“V过去”の“V(動詞)”を中心に行われている。刘月华(1998)を調べて、その“过来”と“过去”の前に用いられている“V(動詞)”の範囲が限られ、自由に入れ替えることができない。例えば、“过来”の前に用いる動詞は“活、醒、恢复、暖和、抢救……”などであり、“过去”の前に用いる“V(動詞)”は“死、晕、昏、昏沉、昏迷、睡……”などである。本稿は《人到中年》などの日中対訳の言語資料を用い、その中の語例を分析し、更に“过来”と“过去”の日中対照を行い、その非対称性を明らかにする。

 

日中対照言語学会2017年11月例会のお知らせ

日時
2017年11月18日(土)17:00~19:00
場所
大東文化会館 K-302(東武東上線東武練馬駅徒歩3分)
ヒト
竹島毅、王学群、劉勲寧、続三義
テーマ
“了”の教育と研究に関して

要旨

 今回の月例会では、皆さまが関心を持っている中国語の“了”に関して、多くの会員による話し合いを期待すべく、パネルディスカッションという形で行う企画をした。発表者4人による問題提起をしてから、参会者の皆さんと討論という形で進めたいと期待している。

 竹島は中国語教育における“了”の難しさ及びその対策を提起し、王学群は“了”の意味について解説し、劉勲寧は教育における“了1”と“了2”のあるべき順序を語り、そして、続三義は日本人学習者の問題点から“了”の運用について語る。

 皆様の積極的な参加を期待している。

 

日中対照言語学会2017年10月例会のお知らせ

日時
2017年10月21日(土)17:00~19:00
場所
大東文化会館 K-404(東武東上線東武練馬駅徒歩3分)
ヒト
小路口ゆみ(大東文化大学院)
テーマ
“把”構文の文構造の分類について

file要旨

 

日中対照言語学会2017年9月例会のお知らせ

日時
2017年9月16日(土)17:00~19:00
場所
大東文化会館 K-401(東武東上線東武練馬駅徒歩3分)
ヒト
白 楊(名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期課程三年)
テーマ
「個人」という語の成立について

要旨

 日本では、近代化の過程において、西洋の新たな概念や事物を翻訳する時、新たな語彙(新漢語)が創出されたのである。中国では1903年以降、留日学生の帰国により、日本書の翻訳がブームとなり、多くの「新漢語」が中国語に持ち込まれ、現代でも「新漢語」は中国語にとって重要な位置を占めており、一部には日中同形語になっているものもある。

 近代化・近代社会の成立の基本として、近代における人々の「自己意識」が芽生え、「個人」という概念が生じてきました。幕末・明治期において、西洋のindividualを導入するために「個人」という翻訳語が当て嵌められたのである。「個人」は近代化の中で最も重要な言葉の一つとして、論じられている先行研究が多く見られる。先行研究によれば、「個人」は「一個人」から「一」が落ちて「個人」となったことは明らかになっている。本発表では、これらの先行研究を踏まえ、辞書類、及び日常の言葉をより忠実に反映し、より規範性を持っている新聞資料を調査資料とし、「一個人」から「個人」になった経過、及び原因について考察する。そして、「個人」が中国へ持ち込まれた時期及び中国語での定着過程についても明かにしたい。

 

日中対照言語学会2017年7月例会のお知らせ

日時
2017年7月15日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学2号館9階・経済学部会議室
ヒト
白石裕一(中央大学兼任講師)
テーマ
AN型/AA的N型名詞述語文について

要旨

 中国語の形容詞は“属性形容词”と“状态形容词”とに大きく分けられる。日本語の形容詞も「属性形容詞」と「状態形容詞」に大きく分けられる。しかし、両者の分類基準は異なる。中国語の形容詞の分類は、形式に基づいていて、日本語の形容詞の分類は意味に基づいている。その意味というのは、「時間的限定性」である。

 近年、日本語学の領域で、「叙述類型論」が議論されている。叙述を「属性叙述」と「事象叙述」に分け、それによってさまざまな言語現象を説明しようとするものである。発表者は、中国語においても、この「叙述類型論」は有効であると考えている。

 そこで、今回の発表では、中国語の次のような“AN型”の名詞述語文と“AA的N型”の名詞述語文を取り上げたい。

(1)她有苗条而矫健的身体,带着风尘色的、透露着青春红润的,线条爽利的
     椭圆脸孔,大眼睛,长睫毛,眉宇间带着一股勃勃的英气。
(2)认识潘平的人都知道,潘平是个容貌超众的姑娘,高高的个子,窈窕的身材,
     大大的眼睛,开朗的性格,非常讨人喜欢。

 (1)のタイプも(2)のタイプも、いわゆる「属性叙述文」である。そして、(2)のタイプは同時に、アリサマを「生き生きと描写」している。ある先行研究は、この種の「描写性」をもって、(2)のタイプを「属性叙述文」から外しているが、属性を「時間的限定性なし」と規定するならば、(2)のタイプは依然として「属性叙述文」である。

 アリサマが顕在化している「属性叙述文」は日本語にも存在する。

(3)「あら、おばあさん、なんて大きなおめめ。」
     「おまえのいるのが、よくみえるようにさ。」

 「属性叙述文」と「事象叙述文」は連続性を有していて、(1)のタイプは典型的な「属性叙述文」、(2)(3)のタイプは「事象叙述文」寄りの「属性叙述文」として位置づけられる。

 

日中対照言語学会2017年6月例会のお知らせ

日時
2017年6月17日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学8号館中第2会議室(8号館中2階)
(8号館の正面の入り口から入って左へ歩き、1階のお手洗いのある所の前を通り過ぎて、階段を上っていけば第2会議室)
ヒト
王学群(東洋大学)
テーマ
日本語の「のだ」文と中国語の“是······的”文との対照研究

要旨

 奥田靖雄(2001:175-202)は、「説明(その4)―話しあいのなかでの『のだ』―」(『ことばの科学10』むぎ書房)で、具体的な場面の中で使用される、「のだ」を伴う説明の文の「場面的な意味」に注目してその意味用法を明らかにしている。奥田(2001)の「のだ」文の各用法に挙げている例文を中国語に訳してみると、当然なことながら、中国語の“是······的”文に訳せる場合もあれば、“是”だけが可能な場合もある。また、いずれも訳せない場合も多数ある。

 対照の立場から、発話時点より以前に実現した動作行為であれば、対応関係がみられると思われがちであるが、実際は、それでも対応関係がみられない場合が多くある。また、中国語の“是······的”文は日本語の「のだ」文と同様に、過去の場合だけでなく、現在、未来、または恒常的な場合にも使われる。このような場合の互いの対応関係も本発表の検討対象にしたい。

 本発表では、上述した幾つかの面から奥田(2001)の「のだ」文の各意味用法の例文を検討し、中国語の“是······的”などとの対応関係を解明してみたい。

 

2017年4月月例会のお知らせ

日時
2017年4月22日(土)17:00~19:00
場所
東洋大学2号館9階・経済学部会議室
ヒト
続三義(東洋大学)
テーマ
日中翻訳――『天声人語』(1992.1.27)の中国語訳を例に

要旨

 朝日新聞の『天声人語』は日本語学習者には人気がある。中国語版もできている。しかし中国語訳には少し問題がある。この文では、『天声人語』(1992.1.27)を例に、まず文脈から主語の問題を分析し、それから、一部の語彙の意味を分析し、その後、言語の意味のポテンシャル性・リアル性、そして、個別性・一般性の問題について論究する主語の問題に関しては、たとえば、「授業が始まると、好きなところに集まるようにと先生が言う。驚いた。」の中国語訳 “上课开始时,老师说你(指日本学生)喜欢什么运动就到什么地方集合。他吃了一惊。” における“你”と“他”、「慣れたら楽しくなった」と“(日本学生)习惯了之后,觉得很有趣”の中の“(日本学生)”の問題などについて分析を加える。語彙の問題に関しては、「楽しくなった」と“觉得很有趣”、 「相談した」と“征求意见”、「何にでも挑戦できる」と“可以迎接任何挑战”、「一生やれそうな」と“一生中喜欢的”、 「画一的」と“一成不变”などを扱う。そして、ポテンシャル性・リアル性、個別性・一般性の問題に関しては、「知り合えた」と“能认识”、「覚えました」と“可以学到”、「不得手なものがあってよい」と“不擅长没关系”、「バーレーンでの着衣のままの水泳練習」と“在巴林,练习游泳都是穿着衣服”などを分析する。

 

Last-modified: 2019-06-11 (火) 22:31:54